物損事故について、全損の場合に修理代の全額を相手方に請求できますか。
交通事故により自動車(車両)等に損害が生じ、修理する必要が生じた場合、適正な修理費相当額が損害として認められます。
しかし、事故車両を修理するのが相当でない場合(①事故車両が物理的に修理が不能な状態となったとき(物理的全損)、②事故発生時の事故車両の時価相当額+買換諸費用以上に修理費がかかるとき(経済的全損)、または、③車体の本質的構造部分が客観的に重大な損傷を受け、その買換えをすることが社会通念上相当であると認められるときなど)には、事故発生時の事故車両の時価相当額と売却代金(スクラップ代等)の差額しか損害として認められません。
修理費 > 車両時価額+買換諸費用 = 全損と判定 → 買換差額が損害となる
修理費 < 車両時価額+買換諸費用 = 適正な修理費相当額が損害となる
ただし、修理費が事故車両の時価相当額に、買換諸費用を加えた額を超過している場合であっても、修理費がその額を著しく上回っていないとして、修理費相当額を損害として認めた例もあります。
いずれにしても、車両を買い換えるとなると、登録手続関係費等の諸費用が必要になりますので、同費用についても相手方(加害者)に請求する必要があります。
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